「この場合の、犬を「(鎖/綱などで)つなぐ」とはどういう意味か?
動物管理の方法として、通常飼い主の裏庭で、犬を杭などの固定物につないでおくことを意味します。引き綱をつけて散歩させる状態はこれに該当しません。
つなぎっ放しにすることは問題か?
残酷な方法であると同時に、拘束された犬、他の動物、人間にとっても脅威になる恐れがあります。
なぜ「犬をつないで飼う」ことが残酷なのか?
犬は本来社会的動物であり、人間や他の動物と相互に影響し合って生きるものです。同一場所に何時間も、何日も、何か月も、時には数年間も繋留された犬は精神的に深刻なダメージを受けます。おとなしくて従順な犬でも、つなぎっ放しにしておくと、ノイローゼになり、欲求不満のあまり、いらいらして、攻撃性を見せることも多いのです。
つながれた犬の場合、首輪のサイズが合わないとか、拘束から逃れようと絶えず引っ張るために、皮膚が擦りむけて、ただれたりします。長年つなぎっ放しにされた結果、首輪が肌に食い込んでしまうこともあります。中には、電気コードの首輪がプラグの位置も判然としないほど埋まっているため、獣医が安楽死させざるを得ないケースもありました。
「犬をつないで飼うのは残酷である」と誰が指摘しているのか?
HSUS(米国ヒューメーン・ソサエティ)、及び、その他多数の動物愛護専門家だけでなく、米国農務省も犬の「つなぎ飼い」に反対する声明書を出して、次のように述べています――「私どもは動物愛護法を実施してきた経験から、犬を繋留して束縛する行為は非人道的であると断言します。鎖は犬の動きを著しく制限します。もつれたり、犬小屋や他の物に引っ掛かるとか、さらには、自由に動けない犬に傷を負わせる危険もあるのです。」
犬の「つなぎ飼い」は人間にどのような危険を与えるか?
長期間つなぎっ放しにされた犬はひどく攻撃的になりがちです。犬というのは、自分の縄張りを守ろうとする習性があるため、脅威にさらされると、「闘うか/逃げるか」の本能に従って行動します。つながれた犬は、逃げられないため、闘わざるを得ないはめに陥り、自分のテリトリーに迷い込んできた見知らぬ犬や人間を攻撃するのです。
つながれた犬が人間を攻撃したケースが多数記録されています。例えば、米国獣医学協会会報2000年9月15日号の研究発表によれば、1979年から1998年の間に犬が人間を襲って殺したケース中の17%は飼い主の敷地内で起きています。痛ましいことに、犠牲になるのは子供たちのことが多く、彼らはつながれた犬の存在に気づかずに襲われてしまうのです。その上、長期間つながれた末に鎖を解き放たれた犬の場合も、依然として攻撃的で、何も知らない通りがかりの人やペットを追いかけたり、襲ったりする例があります。
「つなぎ飼い」が犬にとって危険な理由は?つながれっ放しの犬は、心理的ダメージを受けるだけでなく、他の動物、人間、また、虫などの標的にされやすいとも言えます。心無い人間からいじめられたり、虫に刺されたり、最悪の場合には他の動物の攻撃を受けて苦しみます。さらには、鎖が他の物に絡まり、首を絞めつけて窒息死させる危険もあります。
つながれた犬が他の動物に及ぼす危険は?
つながれた犬の陣地に侵入する動物は危険にさらされていると言えます。犬の睡眠中に迷い込んだ猫、ウサギ、小型犬、その他の動物が、眠りから覚めた犬から猛攻撃を受けることがあります。
つながれている犬は、他の面では十分な待遇を受けているか?
彼らのほとんどが、食事、飲み水を確保できない、獣医の診察も十分に受けられないなど、不当な扱いに苦しんでいます。極端な寒さ、暑さから身を守るすべもありません。吹雪の時にも避難できず、酷暑の季節にも、十分な水も日よけも得られないのです。さらには、神経症的行動を恐れて誰も近づかないため、最小限の愛情さえ与えられない始末。つながれた犬は「風景の一部」と化し、飼い主からも無視される「物体」になってしまうのです。
つながれた犬が飼われている現場は快適な空間と言えるか?
狭い範囲内で食べ、眠り、排泄しなければならないため、およそ快適とはほど遠く、また、犬をつなぐ飼い主が、その場所を清潔に保つとも思えません。もともとは草が生えていたとしても、犬がその上を歩きまわった結果、草が擦りへって、土肌が露出してしまいます。
犬をつながずに管理する方法は?
HSUSがすすめるのは――夜間はすべての犬を建物の中に入れる。規則的な散歩、給餌と給水、その他、適切なケア、獣医の診察を実施する。屋外に出しておく必要が生じた場合は、適度な広さの囲いの中に入れ、風雨などを防ぐように気をつけること。
「つなぎ飼い」は許されるべきか?
人間の「伴侶」にふさわしい犬になるためには、人や他の動物との交流、規則的な運動が欠かせません。愛犬をきちんと管理することは、適切な世話と社会化訓練の実施と同じく、飼い主の責任です。新鮮な空気を吸わせるために犬を繋留するのは、短時間であれば、やむを得ないでしょう。しかし、長期間、つなぎっ放しにすることは決して許されません。
長期にわたり犬をつないでおく場合、どんな人道的配慮をすべきか?
犬をつないでいる鎖が何かに絡まるのを防ぐ工夫をします。首輪がきちんと合っているか、犬が苦しくないか、確認します。(首が締まる構造の)チョークチェーンは厳禁です。犬が楽に動き回ったり、寝転んだりできるように気をつけます。洪水、火事、竜巻、暴風雨、吹雪などの自然災害時には絶対に犬をつないでおかないこと。
引き紐をいわゆる「プーリー・ラン」に接続するのはどうか?
犬をつないでいる鎖/紐を「物干しロープ」のような長い綱とか、(滑車装置のついた)「プーリー・ラン」と呼ばれるケーブル製品に接続して、犬が自由に動けるスペースを確保するのは、杭などにつないでおくよりはましでしょう。しかし、この場合も、先に述べたような問題が懸念されます――すなわち、他の動物から襲われるとか、社会化訓練ができない、安全性に欠けるなどです。
犬の「つなぎ飼い」を地域社会が法規制すべきであるという根拠は?動物管理局、及び、動物愛護組織では、このような残酷な状況に置かれた犬を心配する市民からの電話を毎日幾度となく受けます。公務員である動物管理局員は、この行為が危険と残酷さを伴なうものであることを、根気強く、飼い主に納得させようと努めています。
つながれた動物は悪循環に陥ります――長年の退屈さと社会的孤立から欲求不満になり、自分の殻に「引きこもって」しまい……人間との「つきあい」とか「愛情」をいっそう拒むようになります。その結果、無力な彼は、外界との接触を絶ち、世間の動きを傍観しては、敗北感に打ちのめされるだけ。これでは、本来きわめて社会的なはずの動物にとって、あまりにも残酷な末路ではありませんか。市/郡などの自治体、また、州が「犬をつないで飼う」行為を法律で禁止してこそ、より安全で人道的な社会が実現すると確信します。
資料提供:The Humane Society of the United States /
dogsdeservebetter.com

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